筆者が現在手掛けている数理モデル研究としては、以下のものが挙げられる。
個人の感情・行動を確率的に動作する有限状態オートマトンの内部状態・ 出力と見なし、オートマトン間の対話とOsgood & Tannenbaumの態度変容 予測式を繰り返し適用することによる、個人間関係の動的変化シミュレー ション。
生命・社会システムのモデル「オートポイエーシス」が現在言語でのみ表 象されていることを鑑みて、自己制作の循環的様相が既存のシステム記述 の範囲でどこまで可能かを試みる数理モデル。ルーマン社会システム理論 の数式記述を最終的に目指している。
阪神大震災前と後でのボランティアグループの活動度合の違いを説明するた めに、社会の活動に対する注目度自体が震災によって変化したと仮定し、 Weidlich & Haagの半定量社会学[4]に基づいて注目度の変化を記述する微分方 程式モデル。 進化アルゴリズムとの組合せにより、どのような集団構成が社会注目の中で 生き残るかを示すシミュレーションも考案中。