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細胞システムのモデル:Metabolism--Repair Systems

  オートポイエーシスの例として挙げられている細胞のモデルとして、20年以 上前に提唱されたのが Metabolism--Repair Systems である[7]。

以下が Metabolism--Repair Systems の定義である。

  1. 集合の族 と写像の族

    が与えられている。ここで、任意の に対して、ある が存在して、Af の定義 域か値域になっているとする。

  2. に対して、 の部分集合 が存 在して、写像

    が存在する。ここで、ABf の定義域であり、A から B への写像全体の集合を表す。

ここで、どの の定義域にもなっていない は、 外部からの入力空間となり、どの の値域にもなっていない は、外部への出力空間となる。

最も単純な Metabolism--Repair System は以下の形式である。

ある に対して ならば、このシステムは自己 を産出していると見なすことが出来る。特に、 に対して、写像

の逆写像が存在する場合、となることは容易に証 明出来る。つまり、af から構成される。 外部からの入力 a が上記の条件を満たす限り、自己産出が継続される。



Tatsuya Nomura
Fri Aug 22 19:05:39 JST 1997