TurboLinux インストール顛末記

文責：野村竜也

Sharp Mebius PC-FJ200U に現在 TurboLinux Workstation 7 をインストールし、Windows ME と共存させながら使用しています。人から見れば大した苦労ではないかもしれませんが、自分なりにその経緯を纏めて公開することで、少しでも何かに貢献があればと考えております。

（実際、これを書いている2001年12月末時点では、インターネット上に上記機種でのLinuxインストールに関する情報が全くなかったので、こんなもんでも何かの足しにはなるかなぁ、と。単なる恥さらしかもしれませんが‥‥‥。）

ちなみに、インストール作業は阪南大学経営情報学部・筒井茂義教授のゼミ生である松尾 将 君に協力して戴きました（筒井ゼミ2001年度生の広場を御参照）。というか、実際に手を動かしたのは彼で、私は情報探しが主で、二人で「わいわいがやがや・すったもんだ」の作業の末、何とかこぎつけたというのが実情です。

• 2001年12月10日：
  TurboLinux Workstation 日本語版 6.0 を、最初は IBM ThinkPad iSeries 1200 にインストールすることを試みました。実は、以前にも他者の協力の下で試みて失敗していますが、その際にその人がパーティションを切っておいてくれたため、それをそのまま流用することにしました。
  
  • 結局失敗：
    以前失敗したのと同様に、ビデオカードが未対応のため X Window のテストがどうしても通りませんでした。
  • 念のため、検索エンジンを回して上記機種での対応策を探してみたところ、成功談は見つからず、むしろ数々の苦労話や「この機種へのインストールは推奨しない」という意見が見つかり、結局断念。日本IBMホームページの ThinkPad 関連 Linux 情報には同社機種に対する各種Linuxインストール確認状況というのが載っていて、以前は iSeries 1200 も「動作確認中」という形で掲載されていたのですが、最近リストから削除されてしまいました。見放されたということでしょうか‥‥‥。
• 2001年12月17日：
  日本語版 6.0 を今度は Mebius PC-FJ200U にインストール開始。
  1. インストールCDから起動
  2. メニューの CFDISK からパーティションを作成。12GBのディスクのうち、約半分を Windows用に、残りを Linux用に(swapは約250MG)にフォーマット。
  3. LILOのインストール。そして、ここで「LILOのインストールエラー」が発生。
  4. 結局、この日は断念。
  • 原因：
    初期設定で、「ブートセクタへの書き込み禁止モード」を解除していなかったため。 情けないことに、これに気づいたのは翌日でした。この日のインストールを断念してから、とりあえず Windows だけでもリカバーしておこうと思って、 リカバリCDでパーティションを切り直そうとしたら書き込みエラーが発生して、絶望感を抱きながら帰宅しました。
    翌日、改めてリカバーしようと関係書類を見ていたら、「リカバリの際の注意書き」に初期設定で「ウィルスプロテクション」を外して「ブートセクタへの書き込み禁止モード」を解除してからリカバリせよとあり、思わず「これかい」と気づいた次第。
• 2001年12月18日：
  日本語版 6.0 の Mebius へのインストール再挑戦。
  1. Mebius のリカバリCDから起動。この際に初期設定で「ウィルスプロテクション」を外す。
  2. リカバリの際に、予め12GBハードディスクのうち6GBを基本領域として、そこに Windows ME を再インストール。残りの拡張領域は取り合えずノータッチ。
  3. Linux のインストールCDから再起動。CFDISKを用いて、2で作った拡張領域のうち5.5GBを Linux用基本領域に、残りを Swap用基本領域に再フォーマット。
  4. ネットワーク設定(IPアドレス、ネットマスク、ゲートウェイ、DNS)を行い、SCCI設定、PCMCIA設定は無視して、いよいよ LILOインストール。今度は成功。
  5. 次に、Xの設定。ビデオチップの自動認識は成功。次のディスプレイ動作モードの設定の仕方がわからず（ディスプレイの仕様の詳細がマニュアル等関連書類に記載されておらず、シャープの Mebius 関連ホームページにも記載されていない）、幾つかの設定を試してみたものの、ThinkPad の時と同様テストがうまく通らないまま、この日は断念。
     • 原因：
       翌日、改めて TurboLinux Japan ホームページの対応機器情報を参照し、6.0 の動作可能ハードウェアリストを確認してみました。PC-FJ200U の関連ハードウェアは以下の通りなのですが、
       

       ビデオカード	ATI RAGE MOBILITY-M PCI
       ネットワークカード	Intel 8255x-based PCI Ethernet Adapter
       サウンドカード	YAMAHA YMF743

       
       いずれも 6.0 の使用可能リスト外です。
       ただし、7 ではビデオカードとネットワークカードは動作可能ハードリストに入っているので、この時点で 6.0 はやめて 7 のインストールに切り替えることに決めました。（最初にこうやって確認してからやりゃあ良かったものを‥‥‥。）
• 2001年12月20日：
  いよいよ TurboLinux Workstation 日本語版 7 を Mebius PC-FJ200U にインストール開始。
  1. 雑誌付録のインストールCDから起動。
  2. メニューの FDISK で改めて非DOS領域のうち 5.5GBを Linux用領域に、残りを Swap用領域に再フォーマット。
  3. ネットワーク設定。IPアドレス・ネットマスク・DNSホスト・ゲートウェイアドレスを指定。（ブロードキャストアドレスとネットワークアドレスの入力項目があるが、ここは自動計算される。）
  4. LILOインストールも無事終了。ネットワークカード、ビデオカード、サウンドカード全て自動認識を通過。Xのテストも問題なく表示。パッケージインストールも問題なし。

  6.0 であんなに苦労したのに、あっという間に終了してしまいました。6.0 のインストール手順と違った点は、SCSI、PCMCIAの設定項目がなかったこと。知らないうちにデフォルトで自動認識されたのでしょうか。また、サウンドカードも自動認識されたのですが、稼動リストにはなかったのに大丈夫だろうか‥‥‥。

というわけで、幾つかの不安を残しながらもインストールは終了しました。ちなみに、ここに至るまでに延べ１０時間使いました。な、情けない‥‥‥。（松尾君、付き合って貰ってありがとう。）

今のところ、Windows ME との共存で大きな問題なく動いています。とは言っても、全く問題がないわけではありません。

• Linux 起動時のサウンドが音切れする。
  • 恐らく原因はサウンドカードが対応していないためと思われますが、CDプレーヤーは問題なく再生出来ます。不気味な‥‥‥。
• PS２マウスを接続せずに Linux を起動してタッチパッドを使用すると、ポインタの動きがおかしくなる。
  • Mebius PC-FJ200U のタッチパッドは PS2 インターフェースの延長上にあるので、動くことは動くんですが、ポインタがあらぬところにいきなり飛んでしまいます。PS2マウスを接続して起動すると、最初はタッチパッドも問題なく動くんですが、しばらくすると同様の現象が起こり、マウス自体も同じように使えなくなります。ようするに、Linux上ではタッチパッドは使うなと（電車の中ではマウスは使い辛い‥‥‥）。
• Windows ME の起動が不安定。
  • Linux から再起動して Windows ME を立ち上げようとすると、途中でハングアップします。やむを得ず電源を強制的に落として改めて起動すると、一旦セーフモードで起動し、その後システムの推奨通りに再起動（メニューから終了して10秒後に改めて起動）すると、問題なく立ち上がります。Linux から再起動ではなく完全終了してからだと、Windows も問題なく立ち上がります。何なんだ‥‥‥。

まあ、Linux は基本的に自宅や通勤電車・出張先での論文執筆用（LaTeXがメイン）に使うので、その分には問題ないんですが、日本語LaTeXが入っていないので、いずれインストールしないと（うわぁ、面倒くせぇ‥‥‥）。

あと、実際に動いている写真画像を掲載すべきなのでしょうが、デジカメを持っていないので、どうか御了承を（最後の最後までしょぼい‥‥‥）。

こんなものでも何か参考になったという方、「ここが間違っている・しょぼ過ぎる」という方がおられましたら、こちらまで御意見を戴ければ幸いと存じます。勿論、このページはリンクフリーです。

作成日：2002年1月3日